私はこれまで、ひとりの書籍編集者として、編集者を育てる編集長として、出版社の経営に責任をもつ会社役員として、数多くの本づくりと出版事業に携わってきました。
編集者としてみずから手がけた作品のなかには国内だけで100万部をゆうに超えるミリオンセラーもあれば、遠く海を越えて、世界各国で次々とベストセラーになり、大きな社会現象となった本もいくつかあります。
編集長としてときには部下を崖から突き落とすような厳しい指導を行い、その一方で、部下が編集者として成長していく姿をそばでただ見守ることに、大きな喜びを感じる日々を送ってきました。
そして、会社の数字に責任をもつ役員兼編集責任者として大きなプレッシャーにさらされながらもどうすればヒットを連発する編集部をつくれるかを考え、電子書籍ビジネスや海外へのライツ(版権)ビジネスにも力を注ぎ、出版社の新しいかたちを示すことに命を燃やしてきたのです。
おかげさまで私のいた出版社は、この時代にあって、年々成長を続け、近年、世界的ヒットを飛ばしたことにより、海外でもその名を広く知られるようになり、各国の出版人からも、大きなリスペクトを払われる存在となりました。
もちろん、私ひとりの力ではありません。社長以下、それぞれの社員がそれぞれの役割を果たした結果であって、私はその一員にすぎません。
一方、この間、出版業界は年を追うごとに縮小していき、それと軌を一にするかのように、日本という国そのものがまるで凋落の道を歩んでいるかのようです。
悔しい。おかしい。なんとかしたい。そう思うのは、私だけではないはずです。
古くは、万葉集や源氏物語の頃から、私たちの祖先は世界に誇れる文学作品を生み出し、愛でてきました。
幕末から明治維新にかけて、書物を通して欧米からたくさんの知識を学び、また、福澤諭吉の『学問ノススメ』は人口3000万人だった当時、300万部以上売れたといいます。
日本という国が、いまあるのは、こうした先人たちが、書物を通して、人としての生き方を問い、社会のありようを真剣に問うてきたからではないだろうか。大げさにいえば、私にはそんなふうに思えてならないのです。
もちろん私自身は、立派な人間でもなければ、日本の現代を語れるような教養人でもありません。
正直いって、大阪生まれ大阪育ちのアホです。
一冊の本を、ただただド真剣につくってきた、本づくりの職人にすぎません。
一冊の本がひとりでも多くの人に届くよう、売れる本とは何かを日々、過剰なくらい考えてきた、商人魂のかたまりのような男です。
だからこそ、本というものの価値をあらためて問い直していきたい。本だからできること、本にしかできないこと。このふたつをとことん突き詰めていきたいのです。
「本」という漢字が使われている熟語を見ると、「本」という言葉がもつ根っこの意味が見えてきます。
「本物」「本気」「根本」「本心」「大本」「本当」「本来」「本然」「資本」「本流」「基本」「本質」。
「本」とは本来、こういうものを宿しているものではないか?あるとき、そんなふうに思い至りました。
そして、何よりもすごいのは、「日本」という国の名に、「本」という字が入っているのです。
本というのは、それくらい、深い意味を宿している、ということです。だからこそ、世の中をあっと言わせるような本、つらくてしかたがないときに、生きていく勇気がもらえる本、常識をひっくり返し、新しい時代を切りひらいていく本、そんなすごい本をたくさん世の中に送り出したい。
そのためには、出版にかかわる人たちが会社の枠を超えて、それぞれの立場を超えて、ゆるやかにつながり、強く結ばれていく必要がある。
自分はそのための「旗」を立てよう。まずはひとりで、「声」を上げることから始めよう。そう思い、愛して止まなかった出版社を離れ、新たに会社を立ち上げることを決断したのです。
私はこの会社に、ブックオリティという名を与えました。「ブック(本)」と「クオリティ(質)」を大切にする本質を問う会社でありたいと思っています。
クオリティ・ファーストを理念に掲げ、志をもつ著者を育て、勇気がある編集者を応援し、夢を掲げる出版社の力となろう、と。
もちろん、私ひとりでできることではありません。なぜなら、私が夢見ていることは途方もないくらい、ドデカいことだからです。
小手先の「やり方」やうわべだけの「見せ方」には、もううんざりです。
大事なのは、「あり方」だと私はまじめに考えています。
著者としての「あり方」、
編集者としての「あり方」、
出版社としての「あり方」。
本来あるべき姿を、これからあるべき姿を、真っ正面から真っ正直に考えていきたいのです。
そんなの無理でしょ、と言われれば言われるほど、燃えてきます。
これまでの経験と知識のすべてを投入し、出版業界を再起動し、日本にルネッサンスを起こそう。これからの人生をそのために使おう、と。
何度も言います。私ひとりの力ではできません。まわりの人が応援してくれてはじめて大きな仕事はなされます。
あなたの夢をかなえるお手伝いをさせてください。あなたの力を貸してください。
ブックオリティは志は大きいけれど、まだ生まれたての世界で一番ちっちゃな、ビジョナリーカンパニーです。
著者と編集者と出版社の「最高の未来」をデザインする最強の応援団でありたいと願っています。
株式会社ブックオリティ
高橋 朋宏
一冊の本で、人生が変わることがある。
一冊の本が、世界を変えることもある。
本のチカラは、パワーストーンよりもはるかに強力なのだ。
だから、そんな、すごい本を書いたり、つくったりする人たちを
私たちは応援していこうと思う。
すべてはクオリティから始まる。
もちろん、本の書き手や作り手のひとりよがりは論外だ。
読み手にとって、最高のクオリティを届けること。
それが、広く読まれる本となり、長く読まれる本になることを私たちは信じている。
1964年大阪府生まれ。慶應義塾大学商学部卒。大学時代は演劇に没頭し、休学して海外放浪生活を送ったことも。出版社とは知らずに面接の練習のために受けたPHP研究所に縁あって入社。2年間、海外事業(法人営業)に携わり、毎月目標を達成して、天狗になる。27歳のときに「サラリーマンを卒業して役者になる」ことを夢見て辞表を出したところ、当時かわいがってくれていた上司に、「きみは編集者に向いているから、編集者を一度経験してから会社を辞めればいい」と説得され、雑誌編集者となる。周囲の期待とは裏腹に「できる営業マン」から「できない編集者」に立場が急降下。ほぼ毎日徹夜の編集者生活を送る。96年、サンマーク出版に転職し、32歳にして新雑誌の創刊編集長に抜擢されるものの、部下のマネジメントがまったくできず、総スカンを食らい、副編集長に降格の憂き目を見る。雑誌休刊後、茫然自失の2年間(頭の中の9割はガーデニングという毎日)を経て、2000年から書籍編集者として再チャレンジすることに。最初に企画した2冊の書籍のうち、1冊は初版2万部で勝負して9割以上の返品を食らい、もう1冊は初版7千部でスタートし、12万部のロングセラーとなる。この経験から、「売れる本と売れない本の違い」について研究と工夫を重ねることに没頭、2005年に満を持して出した『病気にならない生き方』(新谷弘実)が140万部突破のミリオンセラーとなる。その後、つんく♂さんの本『一番になる人』を編集する過程でつんく♂さんの薫陶を受け、彼のプロデュース理論をもとにつくった『体温を上げると健康になる』(齋藤真嗣)、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(小林弘幸)が、それぞれ70万部、52万部のベストセラーとなる。2011年、「ミリオンセラーにする」と会社の内外で宣言してつくった『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵)が159万部の大ヒットとなる。2014年3月、同書を米国でもミリオンセラーにすると心に決める。同年10月、米国にて同書が刊行されるやたちまちベストセラーとなり、2015年4月には米「TIME」誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に著者の近藤麻理恵さんが選ばれる。同年6月に100万部を超え、本書は日本と米国でミリオンセラーという、日本の出版史上、初の快挙となる。欠点と弱点だらけの人間ながら、器の大きな社長と心優しい部下とたくさんのヒットに恵まれ、14年間にわたり、サンマーク出版の編集長として幸せな時代を過ごし、仲間とともに「ヒット連発の編集部」をつくりあげる。54歳にして心機一転、これまでやったことがないことにチャレンジしてみたくなり、2018年6月、常務取締役編集長の職を辞し、株式会社ブックオリティを創業。安易な本づくりが大嫌いで、「クオリティ・ファースト」を信条とする。「初めて本を出す著者」を発掘・プロデュース・マネジメントすることを得意とし、これまで無名だった人を多数、ベストセラー著者として世に送り出してきた。「本のチカラで世界を変える」事業に取り組んでいく決意をかためている。
1958年長崎県生まれ。青山学院大学経済学部卒業後、1983年NHK出版でNHKテキストや書籍の編集に携わる。1992年マガジンハウスに移籍し、クロワッサン→ブルータス→ハナコでの13年にわたる雑誌づくりの後、書籍編集部に異動。『こんな女でごめんあそばせ』(8万部)、『「1日30分」を続けなさい!』(50万部、2007年ビジネス書ランキング1位)、『「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!』(累計12万部)、『億男』(累計56万部、2015年「本屋大賞」ノミネート、2018年秋映画化)などを手がける。その後、ダイヤモンド社を経て、現在フリーランス編集者。並行して産業能率大学で「エディター養成講座」の講師を務めるとともに、マスコミ業界を志望する大学生の就活指導をしており、これまでに業界に送り出した学生は300人を超える。
1970年愛媛県今治市生まれ。1992年大分大学経済学部卒。1992年PHP研究所に入社。法人営業を振り出しに、文庫出版部副編集長、エンターテインメント出版部編集長を歴任。110万部を突破した『「世界の神々」がよくわかる本』シリーズをはじめ、『斎藤一人 天が味方する「引き寄せの法則」』(17万部)、『絶対、よくなる!』(12万部)、『スティーブ・ジョブス 神の仕事術』(10万部)などを手がける。2015年から3年間PHP100%出資の関連会社PHP エディターズ・グループ(PEG)の代表を務めた後、2017年10月に独立、フリー編集者として活動をスタートさせる。現在は出版企画・編集に加え、営業もできる「万能編集者」としてベストセラー作家を中心に書籍の企画、編集プロデュースを行っている。今まで手がけた本は400点以上、累計発行部数は1,000万部を超える。
講師・作家のためのコミュニティ設計の専門家。編集者、セミナーイベントプロデューサー。地元の宮城県仙台市の大学を卒業後、大手人材サービス会社にてwebマーケティングを担当。その後教育研修会社にて事業規模の1億円の事業責任者を務め、新規集客や講座プログラム開発、講座運営を経験。セミナーや講座運営は累計400回を超え、受講生の対面カウンセリング総数は300名以上。企画したweb集客ではリリース半年で登録者1万人を超える。現在は講師・作家に特化したコミュニティの設計の専門家として、セミナーや教育コンテンツの開発、オンラインサロンづくりなどを裏からプロデュースする仕掛け人。大手出版社とコラボして書籍プロデュースなども行う。また、2018年4月には三重大学に招待され、講師として登壇。自身の経験を踏まえながら大学生320名に「自分の心の声を聞いて生きることの大切さ」を伝え、後期の登壇も決まっている。
社名 | 株式会社ブックオリティ |
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設立 | 2018年6月18日 |
電話番号 | 03-6892-4137 |
住所 | 150-0001 東京都渋谷区神宮前6-28-9 |
代表取締役 | 高橋 朋宏 |